既製と造作。

私達が設計する住宅の木製扉 ・ 戸は
全て造作です。

ハウスメーカーや一般的な工務店が
既製品の建具を使う理由はコストと責任です。
(不具合がおきたとき建具メーカーの責任にできます)

しかし、住宅雑誌やインテリア雑誌には既製品の建具ではなく
造作の建具しか載っていません。

なぜかというと、既製品を使うとありふれた室内になり、
シンプルさや統一感がなくなるからです。

住宅の室内は、床・壁・天井のみで構成され、とてもシンプルです。
そのため室内での建具の占める面積は大きく、
そのデザインと素材が与える印象も大きくなります。

また、室内建具は、常に人が手で触って開いたり閉じたりする
部分なので印象はより大きくなります。
type5
<袖壁や垂壁のないすっきりとした玄関扉  愛北の家>

type15
<天井までの高さの引戸 奥田の家>

type4
<大開口の窓と同じ大きさの太鼓貼りの障子 西蒲原の家>

4
<シンプルで温かみのある木製玄関扉 愛西の家>

既製品の建具はコストの関係で素材(面材)や金物も
安価な物を使用しているため、長年使っていると
面材のフィルムがはがれたり、レバーハンドルの
メッキがはがれたりします。

また、扉と枠が一体で、デザインも数年で変わるため
将来、リフォームする場合、枠ごと取り替えるという
大がかりな工事になります。
(造作は扉だけの取り換えでOK)

そのため玄関やLDKに限らず、毎日開け閉めする
トイレや洗面、寝室や子供室の建具も造作建具が一番で、
必然的に全ての建具が造作となります。

既製品の規格寸法の建具に合わせて空間を造るのか、
空間に合わせて建具を造作するのか。

どちらが良いかはお判りですね。

五藤久佳デザインオフィス 坪内

コメントを残す