大地は常に揺れている。

皆さんご存知でしょうか。

大地は地震の時でなくても常に小さく揺れています!
大型トラックの通る道路脇や鉄道線路の脇、
海の波や風に揺れる木々なども振動源になります。
この地表面や建築物が常に小さな振動をしている現象を
「常時微動」といいます。

先日お寺の耐震診断で「常時微動測定」を行いました!

これは建物の微小な揺れを
小型・高性能の加速度センサーを使って計測し、
建物の固有振動数(単位時間に振れる回数)を算出します。
計測結果によって求められる振動数は
木造建物の剛性(かたさ)を示すため、
建物の耐震性を評価する一つとして
利用することができます。

この振動数から分かることは
・ 振動数が高い=揺れが小さい=剛性が高い
つまり耐震性が高い
・ 振動数が低い=揺れが大きい=剛性が低い
つまり耐震性が低いという事になります。

一般的な新築の木造住宅は数値にすると6Hz程度です。
伝統工法は粘りで揺れを吸収する構造なので
ある程度揺れることで地震の力を逃がしていますが
今回のお寺は2~3Hzという数値で
振動数が低い=弱い
という事が分かりました。

もちろん建物の耐震性は建物の剛性(かたさ)だけで決まるのではなく、
建物の基礎、経年劣化による接合部のゆるみ、
腐朽度合いなどにより影響を受けます。

今回の結果も参考にしながら、
最適な耐震補強の検討をしています!

五藤久佳デザインオフィス 伊神

 

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